2023秋 北海道・東北放浪記(18日目)

待てば海路の日和あり

待てば海路のナントヤラ、二日間足止めを喰らったことがウソのように朝から穏やかに晴れ渡る。7時過ぎ、道駅「大樹」を出発。浦河町に通ずる国道236号線(天馬街道)を進むと、すぐ緩やかな上りが始まった。

峠のトンネルを抜け、翠明橋公園で休憩。コーヒーを飲み、ボトルの水を湧き水に入れ替える。今度は下り、大樹町側では牛さんの牧場ばかりだったが、浦河側はお馬さんばかりである。

9時ちょうど、旧浦河東小学校舎を使った「浦河町立郷土博物館」に到着。早速見学開始、入館料無料である。

教室ごとに「浦河の自然」「大昔の浦河」「浦河の拓けたころ」「浦河の漁業」とテーマが掲げられ展示されている。町史の中で「明治32年、カツオ漁が盛んになり日高節が製造される」とあり、ちょっとビックリ。「日高昆布に日高節」、さぞやうまい出汁が取れたことだろう。

隣接する「馬事資料館」に寄る。競馬オンチのワタシでさえ知っている「五冠馬シンザン」のパネルや「牡馬ヒンドスタン」の剥製などが展示されていた。

小一時間走って新ひだか町の「アイヌ民族資料館」に行くが現在改築中で、リニューアルオープンは令和7年5月になるという。

次に5分ほど離れた「新ひだか町博物館」に寄る。図書館との併設でまだ新しい建物だ。広いワンフロアに、先史からアイヌ文化、開拓、現代にいたる教育や生活史、などコンパクトに展示されていた。

新ひだか町から無料となった高速を走り、1時間ほどで二風谷の「萱野茂アイヌ資料館」を見学。アイヌ文化の継承と地位向上に尽力し、参議院議員として国会でアイヌ語で質問に立ったのは有名な話だ。口伝で伝わる叙事詩ユーカラ)により、萱野氏のルーツを十代前までさかのぼることができるというから驚きだ。

二風谷からまた無料高速を1時間ほど走り、今晩泊予定の道駅「ウトナイ湖」に到着。今春見れなかった隣の「ウトナイ湖野生鳥獣保護センター」に寄る。傷ついてリハビリ中の野鳥など動物たちが見れるかと思ったが、すべて剥製だらけで大きな水鳥観察室といった感じだった。それにしても、もう渡ってきたのか水鳥の多いこと、中には白鳥も混じっていた。

明日は千歳のサーモンパークに寄り、洞爺湖経由でニセコを目指す予定だ。