入院物語 ③  Sちゃん、カタまる

2月18日(土)。
幸い術後の痛みはほとんどなく、緊張と疲れもあったのか昨夜は思いのほか眠ることができた。横浜に残してきた車が気になっていたが、この日休みのパパが持ってきてくれることになった。そしてSちゃんも一緒に乗ってくるという。一昨日の朝いつも通り送っていって園で分かれたSちゃん、バイバイも言わず急に帰ってきてしまったので「なんで?」と思っていることだろう。
入っている個室はシャワー・トイレ付で広く快適だが、一日当たり6,500円ほどの差額が必要となる。午前中看護師さんが来て、希望していた四人部屋が空いたので移る準備を始めた。術後のこの日はトイレと食事以外寝ているように言われている。折角Sちゃんたちが来てくれるのにゆっくり話しもできないのでは申し訳なく、このままもう一晩個室を利用することにした。
一旦マンションに寄って必要なものを持ってきてもらい、18時半過ぎ、パパとSちゃんが来てくれた。いつもなら「ジイジちゃん、ジイジくん、おジイ」と言いながらまとわりついてくるのに、パパの後からそっと入って来るや固まってニコリともしない。病院貸与のシマシマ囚人服に、人並み以上にデカい顔が手術でもっと膨れ上がってたろうし、衝撃防御のゴッツい眼帯姿はさぞかしショックだったのだろう。一言も話すことなく別れるときにハイタッチするのがやっとだった。
新潟の印象が悪くなったかなと心配していたが、パパから、病院後に行ったレストラン、翌日の新幹線と笑顔の写真を送ってもらって一安心。Sちゃんにとっては、楽しいパパとのロングドライブだったようだ。
「ジイジちゃん」とまたすり寄ってもらえるよう、ジイジも早く退院できるよう頑張るからね、、、(つづく)