風は嫌いだ

週末の土曜から今日の昼まで、よくぞ強風が吹いたものだ。このマンション、北西の強風が吹くと何かに共鳴してヒューヒューと音が増幅する。一昨日の夜は実にうるさかった。

大学2年の夏。学園紛争で大学は閉校中のため、6月から寮生も多く働いていた伊豆・網代の巾着網漁船でバイトした。
カツオ釣りの餌となるカタクチイワシを網で巻き、入江内の生簀へ移すまでの仕事。町内の一軒家に学生だけ20名近くが仮住まいし、三食付きで、時化や魚がいないときは宿でタムロし麻雀しても一日千二百円、漁があれば朝4時から夜10時頃まで海に出っぱなしで働いても一日千二百円で、10日毎に精算してくれた。
ある日、朝一で出漁したが全然魚探反応が無い。凪もよく、甲板で寝そべりながら口笛を吹いてたら、地元の乗組員や一緒にいた先輩にえらく怒鳴られた。口笛は風を呼ぶ、とのことで、船上では絶対やってはいけない行為なんだそうな。
昔の日活映画では、マドロス姿の裕ちゃんや赤木圭一郎らが船上で口笛を吹いてた場面もあったよなあ、あれは間違いか?
このことがあって以来、洋上では一度も口笛を吹いていない。

話しは変わるが、学生の間で、赤木圭一郎加山雄三はウチの大学を受けたが落ちたという話が伝わっている。真偽は分からないが、彼らは受験中に構内にある練習船の上で口笛を吹き、居合わせた先輩か教官に怒鳴られたがために落ちたのでなかろうか。