北海道ツーリング 2018秋(6日=五日目 アゲイン) 道内全域が停電

厚岸の揺れは大したことなかったので大丈夫と思っていたら、起きたら停電している。朝飯時、宿の人やらラジオからいろいろな情報が入り、道内全域で停電していることを知り愕然とする。寝るときセットしたスマホの充電は不十分。メール等に安否の問い合わせがあったので、先ずは予備バッテリーで補充し無事を知らせる。
問題はガソリンだ。今晩予約した宿は160㎞ほど離れた大樹町のとほ宿だ。いつもは宿に入る前に満タンにしておくのに、こんな日に限って三分の一くらいしか入っておらず百㎞走れるかどうか。朝飯後、宿の近くのGSに状況を聞いてみたら「ウチは自家発電なので通常通り営業する」とのこと。善は急げ、大急ぎで支度を整えチェックアウト、GSに走るが、もう5〜6台の車が並んでいる。何とか満タンにしてもらって一安心、これで今晩の宿までは問題なく走ることができる。
あせって走っても仕方ない。先ずは釧路市内を見渡せ、啄木の歌碑がある「米町公園展望台」に寄る。青空がスッキリ広がり、停電騒ぎさえなければ最高のツーリング日和だ。今、幕末に北方の防備を説き、自前のちに幕命で道内を探検した「松浦武次郎」がおもしろい。幣舞橋東ロータリーにある「ぬさまい公園」にも寄り、彼の像を撮る。橋を渡った左側が観光地の「フィッシャーマンズワーフ」である。
ソーラーシステムの信号機は極わずか、主要な交差点は警官が整理してたが、ほとんどの信号は消えたまま。でもみんな運転は慎重で譲り合いの精神が保たれ、流れは意外なほどスムーズである。GSはほとんどが閉まったまま。釧路市内で1〜2か所ほど開いていたが、車が長蛇の列をなしていた。道の駅も同様で建物に入れないほか、トイレも閉鎖されているのには参った。
電気の消えたコンビニには結構車が停まっている。考えたら今晩の宿で食事にありつけるかどうかわからない。私もコンビニに寄ってみるが、水、パン・オニギリ・弁当の類はものの見事に消えている。昼飯用に「竹輪とスモークチキン」、晩飯用に「南部せんべい、カントリーマアム、じゃがりこ」を購入した。
道の駅「うらほろ」にも寄ってみる。建物は閉鎖されてたが、自家発電でトイレは使えた。裏のテラスでクリームパンを臨時販売、私も2個買い、時間調整兼休憩がてら一個を戴く。店の人が言うには、電力復旧の見通しは全然立っていないらしい。今日は何とか凌げるが、明日が心配だ。何とか宿に着く前に燃料は満タンにしておきたい。そのため、浦幌から内陸に入り、浦幌、幕別、更別の市街地を経由することにしたがGSはすべて閉鎖している。道の駅「さらべつ」の職員にGSを問うたところ、親切にも近隣のGSに電話してくれ「中札内のホクレンが一台10ℓに限り販売中で、残り50台分」との情報を得る。急いで走ること20分、車列に並ぼうとしたら、ナント、私の前の車で数量達成し受け付けないとのこと。これにはガックリだ。その店員さんが「2ブロック先の出光さんがひょっとしたら、、、」と言うので急いで行ってみると、何とか入れてくれるという。ここは手廻しポンプ1台を動かしての給油、ハンドル10回転してやっと1ℓらしい。店の人たちはもうバテ気味、並んでいるお客が代わりバンコにまわしている。私も代わったがかなりの重労働だ。でも9.2ℓ補給して満タンにしてもらった。
中札内から40㎞ほど走って大樹町の宿「セキレイ館」に到着。すぐ近くに温泉もあるが勿論臨時休業、宿の風呂も停電で使えない。
ガスランプ、LED携行灯の下、カセットボンベによるジンギスカンが晩飯だ。ラジオに耳を傾けながら雑談が続く。震源地の厚真町、札幌近辺の被害状況は何度も繰り返すが、こっちが知りたい帯広周辺の電力復旧の話題は全然出てこない。今晩は街灯、市街地の灯りが皆無だから星がきれいなこと。途中みんなで星座鑑賞会を楽しんだ。
明日の復旧を信じ、23時解散となる。