床屋のはなし

朝は少し曇っていたが、間もなくすっきりした青空が広がった。絶好のバイク日和であるが、心を鬼にしていつものジムに通う。

帰りに床屋へ寄ってきた。横浜の時は1500円、新潟でも1890円のヤス床屋である。
小さい頃は近所の床屋に行っていたが、腕は悪かった。ハサミを立てて脇を刈っているときに耳を切られたことがあった。4、5年生の頃、ちょっと前髪が長いスポーツ刈り風の「五分刈り」と言ったつもりなのに、何を血迷ったか「五厘刈り」いわゆる丸坊主にされたことがあり半べそかいて家に飛び込んだこともあった。
就職した会社には厚生施設で社内に「床屋」があり、勤務時間中に頭を刈ってもらうことができた。重役や上役などとかち合うときは居心地は悪かったが、二日酔いのときなどは実に助けられた覚えがある。会社の景気も悪くなって、入社10年目くらいにはその床屋も廃止となった。
母船に乗船中は、司厨部のボーイさんが刈ってくれた。勿論タダであるが、その代り下船時に社員一律で金を集め、チップとしてボーイさん達に渡すのが慣例だった。
最近では、まき網船で調査しているときに、「一人で刈れる」がうたい文句の「何とかレーザー」を使ってたが、誤って頭の真ん中付近を青々と剃ってしまった失敗談もある(港に着くなり床屋に直行したのは言うまでもない)。
今年もあと三か月、次に床屋に行くのは新年用の頭を刈るときだろうか。