シケだ〜

雨は朝からポツポツ降っていたが,風が強い。夕方,雨も風も強まったが,台風がやや南寄りになったのか,今はそれほど吹いていない。

洋上でも多くの時化に遭った。
万トン級の母船に乗っている時は,漁がなく仕事も減るし揺れもさほどでもないので,「暖気直し」と称しみんなで酒を飲むことが多かった。連続操業で疲れが溜まってくると「そろそろ時化でも来ないかな」などと不謹慎なことも考えてた。

小さな船ではそうはいかない。先ずは荒天準備で漁具や道具類など流されないようにロープで縛る作業があった。食事時は,テーブルの上に濡れたバスタオルを敷き食器が動かないようにするが,もっと時化ると飯茶碗を持ちっぱなしで,オカズの皿と汁茶碗を抱え込むようにして食べる。料理も出来ない時化になると,握り飯だけとなる。
寝る時も一苦労で,ベッドの壁に体を寄せ,もう一方には毛布や布団をおいて体が動かないようにする。船底が波を叩くときなど体が浮き上がるような感じがして,寝られたもんではなかった。
それでも不思議と「怖い」「沈む」という感覚にはならなかった。

6月の台風上陸は8年ぶりとか。被害がないことを祈るばかりである。