「座礁」

今日も冷たい雨が降ったり止んだり、気温も上がらず肌寒い。

午前中、新潟市に本拠を置く海上保安庁第9管区の巡視船が柏崎沖で座礁したニュースが入ってきた。海の安全を守るべき海保の船が判断ミスで座礁するなんてもってのほか、先日海自の護衛艦座礁して航行不能になったことといい、何とも情けない話である。と言いながら、実はワタシも漁業調査中に「座礁」した経験があるのだ。

当時マルハから開発センターに出港し、カツオの漁場開発調査を担当していた。9月南太平洋で海外まき網漁船(349トン)に調査員として乗船中、急病人が発生しミクロネシアポンペイに緊急入港することになった。船長が経験あるということでそのまま航路を進んだが、港内の標識ブイを見誤り浅瀬に乗り上げてしまった。すぐ3隻のボートを降ろし引っ張らせたがビクともしない。その後地元の漁船にも曳いてもらったが離れず、結局はグァムからタグボートを呼び離礁することができた。

調査活動外で船の操作に関しては権限外のためワタシに直接の責任はないが、この先どう対応すべきか。座礁した瞬間、どっかで聞いたセリフではないが「頭がマッシロ」になった。幸いなことに、乗り上げたところが砂地状の「死んだサンゴ」が堆積した場所で「環境破壊」の高額賠償が発生せず、船体も大きな損傷がなかったのでそのまま調査を続けることができた。

座礁中、当然のことながら船体は微動だにせず、船首方向(頭側)が高い斜め状態で何とも寝心地悪かったことが今でもトラウマとなって思い出される。揺れてこそ「船」であることを実感した出来事だった、、、